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zoom RSS 温暖化が貧困を悪化させ、紛争のリスクを高めるとの

<<   作成日時 : 2014/03/31 07:34   >>

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連載「温暖化とIPCC」(下)人類の余命宣告

2014年3月28日

台風9号の影響による高波で道路脇の斜面がえぐられ、路面が崩落した西湘バイパス=2007年9月7日、大磯町で共同通信ヘリから
台風9号の影響による高波で道路脇の斜面がえぐられ、路面が崩落した西湘バイパス=2007年9月7日、大磯町で共同通信ヘリから
 横浜市港北区にある2階建ての一軒家。パソコンのモニターが部屋ごとの電力使用量をリアルタイムで映し出す。「エアコンを使う夏場は前年から20%ぐらい省エネできた」。鏡翔太さんは、この春卒業した東京都市大環境情報学部の卒業研究で自宅を使って省エネ実験を試みた。

 導入したのが家庭用エネルギー管理システム(HEMS)。電力を「見える化」することで無駄遣いを抑えられるとされる。

 効果を確認した鏡さんは「同じ部屋で一緒に食事を取るなど、家族5人が無理のない範囲でライフスタイルをそろえることが重要だった」と振り返る。「でも、一家族のこと。少なくとも地域単位で連携しなければ意味がない」とも感じた。

 HEMSには横浜市も注目しており、補助制度を設け、普及を図ってきた。ほかの自治体でも、太陽光発電の導入促進など温室効果ガス排出削減に向けた取り組みは始まっている。だが、国全体でみれば再生可能エネルギーが総発電電力量に占める割合も2012年度で1・6%。東京電力福島第1原発事故をきっかけに再生エネへの関心は高まったものの、国や自治体の動きが加速する気配はない。


■心掛けで防げず
 今世紀末の日本の平均気温は3・5〜6・4度上がり、
海面の水位は最大63センチ上昇。85%の砂浜が消失し、高潮被害のリスクも高まる。
大雨による洪水や土砂災害は増え、熱中症や高温による持病悪化に伴う死者は現在の2倍以上−。

 環境省の研究チームが17日に発表した報告書は、温暖化が日本に与える影響をそう予測した。

 メンバーの一人で、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2作業部会の報告書の執筆者でもある国立環境研究所の肱岡靖明さんは言う。「温暖化の影響は地域差が大きい。それぞれに起こり得る悪影響を知り、県や市町村が主体となって必要な適応策を考えていかなくてはならない」

 政府は来夏をめどに「適応計画」を策定し、自治体の取り組みを後押ししていく考えだが、やはり研究チームメンバーで法政大の田中充教授は「適応策への取り組みは諸外国に比べて5年は遅れている」と指摘する。

 英国では気候変動法が2008年に成立し、温暖化によるリスク評価と適応計画を5年ごとに見直すことを政府に義務付けた。ロンドンとテムズ川流域の洪水対策などを中心に取り組む。

 研究面で先んじることを目指した米国は1990年に大規模な研究プロジェクトを開始。2009年には20以上の省庁でつくる特別組織を立ち上げた。

 第1作業部会の報告書作成に携わった国立環境研究所の江守正多さんは「もはや温暖化は、みんなで少しずつ節電するといった個人の心掛けで防げるものではない」と強調する。


■人類の余命宣告
 海抜1〜2メートル、サンゴ礁から成る南太平洋の島しょ国ツバルは海面上昇で水没の危機が迫る。25日に横浜で始まったIPCC総会では、温暖化が貧困を悪化させ、紛争のリスクを高めるとの指摘もなされている。

 国内の切迫感の薄さを</span>文部科学省の気候変動適応研究推進プログラムのメンバーで、早稲田大の太田俊二教授は「日本はカネがあるためだ」と解く。「野菜が採れなくなって値段が上がっても、お金を出せば買える。暑さで高齢者が倒れても、クーラーを使えば何とかなる。現時点では解決できる程度の問題しか表れていない」

 丹沢をはじめとするブナ林の消滅も危惧されるが、「さまざまな木々に覆われた日本の森林の多様性は世界的にもまれなもの。なのに、誰も価値を意識していない」。一つの種が迎える絶滅の危機の先にどんな未来を想像し得るのか、そこが別れ道。江守さんも言う。「人類は余命宣告を受けたようなもの。残りの人生をどう生きるか、懸命に考えなければいけない段階だ」

 IPCCの第1作業部会で共同議長を務めたスイス・ベルン大学のトーマス・ストッカー教授は昨年12月、横浜で行った講演で「気候変動を抑えるためには、温室効果ガスの排出量を大幅かつ持続的に削減していく必要がある」と訴え、講演をこう締めくくった。

 「私たちには、そのための選択肢があるのです」

 IPCC総会は来月、横浜に続きドイツで開かれる。発表される第3作業部会の報告書では、温室効果ガスの排出量を削減するための緩和策の数々が集約され、提示されることになっている。

◇国を挙げた対策進まず

 温室効果ガスの排出量を削減する「緩和策」は世界的にも取り組みが遅れている。足かせになっているのが経済コストの問題だ。IPCCでは第3作業部会が緩和策やその効果、必要なコストなどを集約し、最新の報告書を4月に発表する。

 前回2007年の報告書では、50年に世界の温室効果ガスの排出量を00年から半減できれば、産業革命以降の気温上昇を2度台で抑えられるとした。ただし、対策による排出削減コストの増加で2050年の推定国内総生産(GDP)に最大マイナス5・5%の影響が出ると予測している。

 また、企業や市民団体などによる自主的な活動は、新しい政策や技術の普及を促すことにつながるものの、国や地域レベルの排出量に与える影響は小さいとした。

 温暖化を抑えるためには国を挙げた対策が不可欠だが、目立った成果は出ていない。昨年11月に開かれた気候変動枠組み条約の第19回締約国会議(COP19)の内容も対策の遅れが懸念されるものとなっている。1人当たりの排出量は所得の高い国ほど多く、発展途上国からは先進国の削減責任と負担を求める声が根強い。

 日本は会議で、20年度までに05年度比で3・8%削減する新目標を表明。京都議定書の基準年1990年度比で3・1%増となり、民主党政権時代に掲げた目標だけでなく、京都議定書の目標と比べても大幅に後退している。



マイルドヤンキーに「貧困」「反知性主義」が短絡される現象について
投稿日: 2014年03月28日 14時18分
「マイルドヤンキー」という言葉があぶり出した日本の階層:日経ビジネスオンライン
 
 私もリンク先の視点に賛成だ。
 若者文化の表象を理解する糸口として「ヤンキー」「マイルドヤンキー」といった言葉を用いるのは悪く無いと思うし、そこからマーケティング論を展開するのも面白い。だが、そういうストーリーから「マイルドヤンキー=貧困」となり、あまつさえ「マイルドヤンキー=みんな馬鹿」的な誤解を生みそうになっている現状は、ウヘェ、と思わずにいられない。
 
 予め断っておくと、原田曜平さんの『ヤンキー経済』も、斉藤環さんの『世界が土曜の夜の夢なら』も、とても興味深く、面白い本だ。前者はマーケティングの視点からヤンキー的地方民を書き綴った本だし、後者はヤンキー先生こと義家弘介さんのヤンキースピリットに潜む反知性主義を指摘し、ヤンキー→ヤンキー的なものへの変遷を知るヒントを彩り豊かに紹介している。
 
 だが、こうしたヤンキー論・ヤンキー本を出汁にネットで語られている文章やリアクションを観ていると、どうも、「ヤンキーはかわいそうな貧民(そして俺達はそうではない)「ヤンキーは反知性(そして俺達はそうではない)」的な受け取り方が優勢と感じられてならない*1。いかがなものか。
 

■ マイルドヤンキーったって色んな人がいるし、昔の不良とは違うわけで。
 
 『ヤンキー経済』の趣旨はファスト風土のマーケティング論だ。70〜90年代のツッパリやヤンキーとは似て非なる"ヤンキー的な"文化表象の地方民にスポットライトをあて、彼らの消費傾向を論じている。

後半パートには非正規雇用な若者の話が多いが、前半パートに出てくる家庭は、それほど貧しい風ではない。ヤンキー的な文化表象をまとい、地元の仲間意識を大切にしているという意味では『ヤンキー経済』に出てくる地方民はまさにマイルドにヤンキーっぽいが、ここには、たまたまファスト風土に住み、たまたま流通しているヤンキー的表象を拒否せず消費している人がだいたい含まれている。
 
 要するに、マイルドヤンキーとは、昔から地方に住んでいる普通の人達・わざわざ東京に出るまでもなく十分楽しくやっていける"地元のリア充"が一緒くたになった語彙と考えて差し支え無い。そのなかには、地元インフラ企業に勤めているような人物や、地方公務員として働きつつ、普段着をアベイルやユニクロで買い求める人物も含まれるだろう*2。『ヤンキー経済』のうちに「貧困」を読み取り過ぎるのは、いささかミスリーディングというか、本来の眼目からはずれているようにみえる*3。
 
 同様に、『世界が土曜の夜の夢なら』に書かれている「ヤンキー先生は反知性主義」というくだりも、ヤンキーや不良が対抗文化だった頃に思春期を迎えていた義家弘介さんの反知性主義的・反学校教育的傾向が例示されているのであって、学校教育や戦後民主主義になんら抵抗の無い現代のヤンキー的な人々――それこそ、マイルドヤンキーのような――まで同じだとみなすのは、読み込み過剰だろう。

学校教育に鋭く対立した時代のツッパリやヤンキーは、反知性"主義(イズム)"と言えるかもしれない。学校教育的なものを拒否し、経験知だけに頼って生きる人々を反知性主義と表現するのはわかる話だし、名著『ハマータウンの野郎ども』を連想したくなる。だが、学校教育システムを所与の条件とし、そこに乗っかるかたちでリア充たろうとする現代のヤンキーっぽい人々は、それほど反知性的でもなかろうし、ましてや反知性"主義"だとは言えそうにない*4。
 
 げんに、文化表象としてマイルドヤンキーとカテゴライズされるであろう私の知己には、必要なら学問知を積極的に学び運用する人や、経験より理論に頼るべき場面をきちんと区別つける人がたくさんいる。彼らの文化表象や暮らしぶりは、表向き、まさにマイルドヤンキーと呼ぶに相応しい。そして、日常的なコミュニケーションシーンで学問知をひけらかすような粗忽さとも縁が無い。だから、地方のショッピングモールを物見遊山で訪れる人達からみれば、いかにもヤンキー的な人物とうつるかもしれない。だが、必要性を感じさえすれば、彼らとて学問的な知を学ぶことを厭わない。
 
 敢えてディスアドバンテージを挙げるとしたら、地元の実業高校を卒業しすぐ働くような人達は、学問の体系だった把握まで手が届いていない人が多い、という点だろうか。さすがに有名大学を卒業する人達には及ばない。しかし、そのあたりは教育機会の問題や文化資本の問題を多分に含んでいるわけで、当人の反知性性の証拠とみなすのは勇み足だろう。そして地元大学を出て地元で働いている人のなかにも、学問の体系だった把握を達成している人は現にいる。そもそも、非ヤンキー的な生活をおくっている大都市圏の人達のなかにだって、学問の体系だった把握に至っていない人は仰山いるし、専門職の領域を一歩離れるや、どうにも無根拠で迷信にあふれた生活をおくっている人もたくさんいる*5。教育機会や文化資本の問題を差し引いて考えれば、それほど大きくは違わないのではないか。
 
 以上のような現状を思うにつけても、マイルドヤンキーという語彙にネガティブな意味合いが不当にくっついてまわる現象には、注意を払っておきたい。ヤンキー的な文化表象がファスト風土に広がっているさまを表現した言葉として、ソフトヤンキー・マイルドヤンキー・ヤンキー的なもの......といった語彙は的を射たところがあると思うけれど、【ヤンキー文化圏由来のコンテンツや服装を身につけている=貧困で反知性主義】のごとき短絡は、避けなければならないと思う――いみじくも、自分達は阿呆ではないと確信している人達こそ、そのような分別を働かせるべきではないか。
 
 ヤンキー的か、

オタク的か、

サブカル的か―

―そういった文化表象のいかんにかかわらず、貧しい人もいれば豊かな人もいるし、知に開かれた人もいればそうでない人もいる。もちろん、平均年収だの平均学歴だのといった統計を取れば、千代田区や港区あたりのタワーマンションに住む人々に軍配があがるに違いない。世間一般で世帯間格差が拡大しつつあるのもわかる。だからといって、ファスト風土に住んでいる市井の人間が、マイルドヤンキーという言葉ごと、やたら憐れまれたり、反知性主義とレッテルづけられたりするのは、なんだか納得がいかない。私は納得がいかないから、そうした誤解には反発したいと思う。

*1:私は、自分のことをオタクだと思っていて、ヤンキーだとは思っていない。それでもなお、昨今のヤンキー/マイルドヤンキー論周囲の雰囲気は、どこかおかしいと感じる。

*2:ファスト風土の文化表象がヤンキー的になっている要因のひとつに、ファッションセンターしまむらやアベイルといった地方衣料品店の影響があるように思うのだけど、このあたりは、あまりきちんと論じられていないような気がするので、近いうちにまとめたいところ。

*3:同書後半の論述に引っ張られすぎるとそうなる、というのはわかる。そこはレトリック上の問題点、あるいは論争すべき点とは思った。

*4:特に、バカッター的なインシデントを起こすでもなく、クレバーに立ち回って目立たない地方民においては。

*5:なお、私は生活領域に無根拠な迷信をひとつやふたつ含んでいるぐらいで、反知性の人だとか、反知性主義の人などと決め付けたくない。人間なんて、そんなものじゃないか

(2014年3月27日「シロクマの屑籠」より転載)






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岡田 功

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